産業廃棄物についての知識と処理業者を紹介します

2010年3月

廃棄物管理とは

49mo.JPG廃棄物管理がしっかりと行われなければ人体や環境に非常に悪影響を及ぼす結果になります。

なので廃棄物を扱う行政や業者に対しては、徹底した廃棄物管理が要求されます。

一言で廃棄物管理と言っても、その内容は幅広く、一般廃棄物や産業廃棄物を正しく処分することに関する全ての工程・内容が含まれています。

一般廃棄物や産業廃棄物を事業として取り扱う業者が行う廃棄物管理には、法に従って廃棄物を正しく処分するための管理やマニフェストに従って行う管理などがあります。

そして、危険な廃棄物を扱う産業廃棄物処理施設では、法に従って特に厳重な廃棄物管理をすることが求められます。

一方、行政が行う廃棄物管理には、一般廃棄物の収集、運搬や処分施設の運営だけでなく、廃棄物処理業者の認可、管理やリサイクルの促進活動なども含まれるので、行うべき廃棄物管理の範囲はさらに広がります。

このように人体や環境に非常に悪影響を及ぼす可能性がある廃棄物に関してはその管理が徹底されているのです。

産業廃棄物管理票とは

50mo.jpg産業廃棄物管理票はマニフェストと呼ばれています。

マニフェストは、産業廃棄物の運搬・処理・処分のための管理票で、不法投棄や不適切な処理を防ぐことを目的として法律で作られたものです。

そしてマニフェストは、紙のマニフェストの場合、複写式の7枚つづりの伝票(A・B1・B2・C1・C2・D・E)になっており、産業廃棄物の種類や数量、運搬や処理を請け負う事業者の名称などを記載します。

収集・運搬や処理などを請け負った者は、委託された業務が終わった時点でマニフェストの必要部分を委託者に渡すことで、適正に処理を終えたことを知らせるもので、処理を委託した産業廃棄物がどのように流れ、最終的にどう処理されたか確認することができます。
またこの管理票は産業廃棄物に携わる事業者がそれぞれ産業廃棄物とともに受け取って、責任を持ってその業務を行い、次の工程を管理する事業者に廃棄物とともに渡すように作られています。

そして、廃棄物とともに渡すことになっていますから、廃棄物のある場所なら、産業廃棄物管理票が常に参照できるようになっており、このことは法律でも規定されています。

以上から産業廃棄物管理票は、産業廃棄物に関わる業者が、責任を持って産業廃棄物を処理、管理するための書類であることがわかります。

産業廃棄物協会とは

51mo.JPG産業廃棄物の適正処理の推進のために多様な事業活動を推進し、管轄する地域の廃棄物処理を監視しているのが、全国47都道府県にある産業廃棄物協会です。

そして、全国の産業廃棄物協会を統括しているのが、社団法人全国産業廃棄物連合会です。

産業廃棄物協会は、産業廃棄物の適正処理を推進し、国民の生活環境の保全と産業の健全な発展に貢献することを目的として活動しています

産業廃棄物協会は産業廃棄物の適正な処理体制の確立のために全国の処理業者の組織化、経営基盤の整備、研修会の開催、処理技術の研究、福利厚生制度や保険制度の充実、専門誌の発行などの事業を展開しています。

そして産業廃棄物協会の会員には、正会員と賛助会員の2種類があります。
地域を管轄する知事や市長が許可した「産業廃棄物処理業許可証」のある事業所だけが、産業廃棄物協会の正会員となれます。

全国産業廃棄物連合会とは

52mo.jpg社団法人 全国産業廃棄物連合会は、産業廃棄物の適正処理を推進し、国民の生活環境の保全と産業の健全な発展に貢献することを目的として昭和53年に創立されました。

その後、昭和60年に厚生大臣の許可を受けて社団法人化され、平成13年からは環境大臣の所管となりました。

廃棄物の中には有害で危険な物質等もあり、安全で、環境負荷の少ない形で適正に処理をすることが求められています。

このような状況の中で、全国産業廃棄物連合会は適正処理の推進のために多様な事業活動を推進しています。

産業廃棄物連合会の会員は、都道府県ごとに組織された産業廃棄物協会です。
そのほかに、賛助会員もあり、産業廃棄物連合会の賛助会員には、環境と密接に関係する企業が数多く参加しています

廃棄物処理法

53mo.JPG産業廃棄物の多くは人体や自然環境に有毒な物質を含んでいます。

従って産業廃棄物を処理するにあたっては厳しい基準が定められていることが必要となってきます。

そのような観点から廃棄物処理法は廃棄物の定義や処理責任の所在、処理方法・処理施設・処理業の基準などを定めています。正式の法律名は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」であり、「廃掃法」とも略称されています。

廃棄物の排出抑制と適正な処理、生活環境の清潔保持により、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることが目的です。

循環型社会形成推進基本法

54mo.jpg廃棄物処理法やリサイクルに関係していた法律の内容は非常に複雑になっています。

なぜなら廃棄物の処理で、問題が生じる都度、廃棄物処理法の改正によって対応してきたからです。

このように複雑な内容となっており、しかも十分とはいえない部分まであります。

さらに近年は、廃棄物の増加や、廃棄物の内容の多様化によって、従来の廃棄物処理法では、対応しきれなくなってきました。

近年ではこれまで安易に廃棄物としていたものをリサイクルし、資源の消費を抑えるだけでなく、それ以上利用することのできなくなった廃棄物は適正な処理をする必要がでてきました。

そこでそれを実現すべく循環型社会形成推進基本法が制定されました。

循環型社会形成推進基本法は従来の廃棄物処理法の考え方を一歩進め、循環型社会の形成を促進するという観点から、廃棄物処理とリサイクルを一つの体系にまとめあげて制定された法律となっています。

廃棄物処理法の改正とマニュフェスト制度の変遷

55mo.jpg廃棄物処理法の改正とマニュフェスト制度の変遷について説明します。

マニュフェスト制度は1990年、厚生省(現厚生労働省)の行政指導により始まりました。

法的には1991年の廃棄物処理法の改正により制度が新設され、1993年の法改正で特別管理産業廃棄物の処理を委託する場合にはマニュフェストを交付しなければならない義務が生じるようになりました。

その後、1997年には更に廃棄物処理法が改正され、1998年よりすべての産業廃棄物に対して、処理を委託する場合にはマニュフェストの交付が義務付けられることになりました。

産業廃棄物は人体や環境などに悪影響を及ぼすものが多いからその管理については徹底しなければならないという要請が働いたからですね。

2001年にはまた廃棄物処理法が改正されることによりマニュフェスト制度が強化され、中間処理が行われた後の最終処分に至るまで、排出業者が責任を持って確認することが義務付けられることになりました。

この改正も上記のように人体や環境に悪影響を及ぼす可能性が高い産業廃棄物を適切に処理するという要請が働いている事に起因します。

制度の始まった当初はマニュフェストは複写式になった紙の伝票のみが使用されていましたが、1998年には電子データをやり取りする電子マニュフェストも登場しています。

このようにマニフェスト制度も時代とともにその時の要請とともに変遷してきたのです

廃棄物処理法の問題点

56mo.jpg廃棄物処理法は、人々の健康の保護と環境の保護を目的としており、廃棄物に対する責任の所在を明確にし、廃棄物を適正に処理する為につくられた法律です。

しかし、実際のところ廃棄物処理法には問題点が非常に多く、毎日大量に出る一般廃棄物や産業廃棄物に対応しきれていないというのが現状です。

新たな問題点に廃棄物処理法自体を随時改正していたのでは間に合わないケースが多いことから、そのたびに細則の改正や通達といった形で対処しているため、さらに矛盾が生じるといった別の問題点が生じています。

また、廃棄物処理法に定められている一般廃棄物と産業廃棄物との定義が曖昧な上、その分水嶺がわからず自治体によっては一般廃棄物の処理に技術的な問題を抱えていたり、処理施設がパンク状態に陥ったりといった問題点も上がっているのが現状です。

今、廃棄物に対する現実的な対応が迫られています。

最近ではリサイクルを推進する一方で、廃棄物処理法にある許可制度がリサイクルする上で障害になっているというケースが多く、特例として規制緩和措置が認められる制度も出てきています。

今後、一般廃棄物と産業廃棄物の違いを明確化し、現状に適合した制度をつくる事が必要でしょう。


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