2010年3月
はじめに
産業廃棄物という単語は最近よく耳にするようになりました。
しかしながら、産業廃棄物についての知識や法律などの知識に精通している人は意外と少ないのではないでしょうか。
産業廃棄物処理に関するルールを知らないばかりに、非常に高額な罰金を支払わなければならなくなったり、大変なことになってしまいます。
産業廃棄物処理徹底研究室では産業廃棄物の種類や処理方法、産業廃棄物処理業者の紹介など、産業廃棄物に関するさまざまな情報を発信していきますので、是非参考にして頂ければと思っております。
産業廃棄物とは
産業廃棄物とはどういうものなのか知っていますか?産業廃棄物とは事業活動によって生じる廃棄物のことをいいます。
燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物が産業廃棄物にあたります。
産業廃棄物のうち、原油などの爆発性、廃酸、廃アルカリなどの毒性、感染性など人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるものを特別管理産業廃棄物といい、さらに、廃ポリ塩化ビフェニル、ポリ塩化ビフェニル汚染物、廃石綿、ばい塵などは特定有害産業廃棄物と言います。
家庭等から排出される一般のごみ(一般廃棄物)は市町村に処理責任があるのに対し、産業廃棄物は排出事業者に処理責任があるのが一般廃棄物との違いです。
一般廃棄物と産業廃棄物では法的に取り扱いが異なるため、廃棄にあたっては、市町村等の一般廃棄物用の処理施設での処理・処分することはできない。
産業廃棄物の廃棄にあたっては、産業廃棄物を処理・処分できる許可を受けた産業廃棄物処理事業者へ処理・処分委託することとなっていることは要チェックです。
産業廃棄物の種類
産業廃棄物は事業活動によって出た不要物を指しますが、その種類は多岐にわたります。では具体的にどのようなものが産業廃棄物と言われているのでしょうか。
下記は法律によって具体的に定められたものになります。
・灰や石炭がらなどの「燃え殻」
・工場や下水道などから出る「汚泥」
・廃タールピッチ、固形石鹸、廃潤滑油などの「廃油」
・廃硫酸や廃塩酸などの「廃酸」
・廃ソーダ液や廃アンモニア液などの「廃アルカリ」
・合成樹脂や合成繊維、発泡スチロールなどのくずの「廃プラスチック類」
・天然ゴムくずの「ゴムくず」
・鉄、ブリキ、トタンなどのくずの「鉄くず」
・「ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず」
・高炉や平炉などからの残さいのうち有害なものの「鉱さい」
・工事や新築、建築物の撤去などによる「がれき」
・集じん施設によって集められた「ばいじん」
・紙製造や印刷業、建設業などから出る「紙くず」
・製造業や建設業などから出る「木くず」
・繊維業や建設業から出る「繊維くず」
・食料品や医薬品製造業から出る「動植物性残さ」
・と畜場や食鳥処理業で出る「動物系固形不要物」
・畜産農業などから出る「動物のふん尿」「動物の死体」
・上記の種類の産業廃棄物を処分するために処理したもの
なんとなく産業廃棄物についてのイメージが湧いてきたのではないでしょうか。
特別管理産業廃棄物の種類
産業廃棄物のうち、原油などの爆発性、毒性、感染性など人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるものを特別管理産業廃棄物といわれています。では具体的にどのようなものが特別管理産業廃棄物にあたるのでしょうか。
下記に列挙しますので必要に応じて覚えておきましょう。
・産業廃棄物の中で引火点が70度以下の燃焼しやすい種類の揮発油、灯油、軽油などの「廃油」
・pHが2.0以下の非常に腐食性の高い「廃酸」
・pHが12.5以上の非常に腐食性の高い「廃アルカリ」
・医療機関や研究施設などから発生する血液の付着したガーゼや注射針など、人体に感染する怖れのある病原体が含まれた「感染性産業廃棄物」
・廃ポリ塩化ビフェニルやポリ塩化ビフェニルに汚染された産業廃棄物、建築物から排出される廃石綿などや法律に規定された基準値を満たしていない有害物質が含まれた有害産業廃棄物など、特別な管理が必要な「特定有害産業廃棄物」
単語だけだとなんだか難しい感じがしますが、人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるものという観点から考えると理解しやすいと思います。
一般廃棄物とは
一般廃棄物とは、廃棄物のうちで「廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)」によって定義される産業廃棄物以外のものを指します。産業廃棄物についてはイメージが湧きづらいと思いますが、一般廃棄物については湧きやすいのではないでしょうか。
つまり一般廃棄物とは、多くが家庭での通常の生活を営む上で排出されるごみ「家庭系一般廃棄物」ですが、中には事業所から排出される産業廃棄物以外の廃棄物にあたる「事業系一般廃棄物」も含まれています。
家庭ごみに代表される一般廃棄物は、ほとんどの場合市町村によって収集され、処分されます。
廃棄物問題はどの自治体においても重要な問題となっています。
一般廃棄物の問題点
一般廃棄物は、多くが家庭での通常の生活を営む上で排出されるごみ「家庭系一般廃棄物」と事業所から排出される産業廃棄物以外の廃棄物にあたる「事業系一般廃棄物」からなります。家庭ごみに代表される一般廃棄物は、ほとんどの場合市町村などの地方自治体の責任によって収集され、処分されます。
産業廃棄物と比較して環境の保全の観点から一般的に問題がないと思われがちですが、実は産業廃棄物と比べても一般廃棄物の方が多くの問題があるといえます。
代表的な問題点ですが生活系一般廃棄物はその性質上、処分方法が焼却か埋め立てかにほぼ絞られており、リサイクルによる減量も非常に難しい状況になっています。
これは大きな問題ですよね。
十分な一般廃棄物の処理能力を持っていないという自治体もあるので一般廃棄物の問題はかなり深刻だといえるでしょう。
事務系一般廃棄物
廃棄物が事業所から出た場合でも、廃棄物処理法によって規定されたもの以外であれば、産業廃棄物には分類されず、事務系一般廃棄物として処理されることは知っておきましょう。しかし、産業廃棄物の定義が曖昧であったりすることもあり、実際に産業廃棄物と事務系一般廃棄物の境界線はどこかという問題があります。
また廃棄物処理法上、同じ廃棄物であっても、営む事業の種類によって産業廃棄物に分類される場合も事務系一般廃棄物に分かれる場合もあります。
このような状態では産業廃棄物と事務系一般廃棄物に区別する事は難しいですよね。
廃棄物処理法遵守といっても不明確な定義や区別しかないのなら何を遵守すべきかわかりません。
法文自体の改正を積極的にする必要があると私は思います。
そして産業廃棄物と事務系一般廃棄物の区別を明確にする必要性があると思います
産業廃棄物の処理責任
産業廃棄物には人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるものが多く含まれている事から、産業廃棄物の処理には大きな責任が伴います。そこでまず誰が産業廃棄物の処理責任を負うのかが問題となります。
処理責任についてですが、通常の一般廃棄物は市町村などの地方自治体にその責任があるのと異なり、産業廃棄物には廃棄物を排出した事業者にその処理責任があります。
処理責任がある事業者は自ら責任を持って適正に処理するか都道府県の知事によって認可された産業廃棄物の処理業者に委託して処理する必要があります。
ほとんどの事業者が産業廃棄物の処理は産業廃棄物処理業者に委託することになりますが、その場合は必ず産業廃棄物処理委託契約を結び、産業廃棄物管理票(マニュフェスト)を交付した上で、法律をしっかりと遵守しながら産業廃棄物の処理を行うことが義務付けられています。
このように産業廃棄物の処理には法律上の厳しい制約があることがわかります。
産業廃棄物の保管場所について
産業廃棄物については廃棄物処理法によって様々な規制がなされています。たとえば産業廃棄物を排出する事業者や産業廃棄物を処理する業者は、産業廃棄物を最終処分するまでの保管についても、廃棄物処理法に定められた基準を遵守する義務があります。
そして廃棄物処理法には産業廃棄物を保管する場所についての基準も規定されています。
ではどのような保管をすればいいのでしょうか。
産業廃棄物を保管するには囲いが必要ですが、構造上や安全性、耐久性について問題のないことが必要です。
また、産業廃棄物を保管する場所が産業廃棄物の保管場所であることを表示し、そこに何が保管されているのか、どれだけの量や高さで保管されているのかとともに、管理者の氏名や管理を担当する課係名、その連絡先を明記した60cm×60cm以上の掲示板を設置することが廃棄物処理法によって義務付けられています。
更に産業廃棄物を保管している場所から産業廃棄物が流出したり悪臭を放ったり、地下に浸透したりすることのないように管理する必要もあり、産業廃棄物を保管するためには廃棄物処理法によって定められたこれらの基準を全て満たさなければなりません。
以上からも産業廃棄物についてかなり細かい規定があることがわかります。
産業廃棄物処理の委託
業務上、産業廃棄物を出す事業者は、出た産業廃棄物の処理や運搬を他人に委託する事が可能です。ただこの委託も廃棄物処理法によって定められた基準に則ってされなければなりません。
まず、委託する業者は自治体の長によって産業廃棄物の処理業者として認定されており、委託する産業廃棄物がその事業の範囲に含まれているものであることが必要です。
また注意点ですが、排出した産業廃棄物を収集して運搬する業者と処分を委託する業者とが別々である場合は、それぞれ別個に委託契約を交わさなければなりませんので覚えておきましょう。
あと委託契約は書面で行うことが必要で、契約書に記載しなければならない項目も法律によって定められているので間違いのないようにしなければなりません。
契約書に記載されている事柄が事実と異なっていたり欠けている部分がある場合には、罰則の対象となるので契約書の記載には細心の注意が必要です。
